池田 若菜 | WAKANA IKEDA

< news一覧に戻る

ここ一ヶ月の思い出がそれぞれ濃厚だったので、日記です。

非常に長いので、ご興味を持っていただける方のみお読みいただけましたら幸いです。

7/31

棕櫚のサポート

佐藤さんと黒澤さんのユニットになり、バンド名が棕櫚になって、そこから初のアルバムリリースとなったレコ発。Orangeadeの時からのサポートだろうか、最初の時が思い出せないけれど、だいぶ前からお世話になっているバンド。佐藤さんのフルートのアレンジは、フルートという楽器を隅から隅まで活かし尽くしていると思う。難しいパッセージでも、技術的な問題点も踏まえて作られているのが旋律からわかるので、これは応えるしかないぞと燃える。今回のレコ発では、佐藤さんと、黒澤さんのそれぞれのパーソナルな魅力が出ていた気がしており(ユニットになったから、強調される形になっていたのかも)お二人ともかっこいいなと思いながらフルートを吹いていました。

さてこの日の打ち上げが面白くて、人生の中の楽しかった打ち上げランキングで5本の指に入る。話題が誰でも参加できる広義なものが多く、非常に良質な時間が流れていた。吉祥寺の中華街の円卓にて。美味しい料理をつまみながら、職人性及びDIYの話、生物多様性の話、カイコ、アメーバピグ、狩猟 etc 色々な話を伺えた。この夜から私は「みんなが参加しやすく、固有名詞に固執しない、大きな楽しい話題」を探すことを日々心がけるようになった。固有名詞マウントが発生する状況をいかに避けられるか、というところが最上の打ち上げを作り上げるキーワードーになるのではないか。一緒に演奏をしたメンバーはもちろん、田口タカアキさん、山口優さん素敵な方だったな。博学を極めると、固有名詞に固執して会話を進めるということがなくなるというか、その一段上の領域に達するのではないかと思った。

8/4

The Ratelで麓健一さんとのワンマンライブ

MCでお話しした通り、麓さんとの2マンのつもりでお声がけしたところ、一緒にやりましょうというご提案をいただき、合体バンドとしてワンマン公演になった。さてどうしようということで、カバーもやろう、曲どうしますか、それぞれの曲にも参加を、とこの日に向けて、めちゃくちゃ練習した。練習だけじゃなくて打ち合わせのために集まった日、LINEでの日々のやり取り、調整の連絡、一人残らず全員で知恵を出し合った。こういう公演ができたことが尊い。提案してくださった麓さんへの感謝、そして麓さんが最高だというのはまずもちろんとして、こんな公演できる我々、一人一人が最高でしょと胸を張りたい。

打ち上げは下北沢のにしんば、からの新雪園。私は荷物を降ろしてから遅れて参加。mmmさんも来てくださって、賑やかな宴会。占いって面白いよね。けんじさん珍しく酔っ払っていて後半寝ていた時間もあったが、この日のために気合入ってたしお疲れ様だよ、という気持ちでうつ伏せている肩を見ていた。

お好み焼きを作るときに、ちゃんと計量器を使って粉の量、刻んだキャベツの量を調整すると、味が格段に良くなる。シンプルな料理ほど、微調整が肝心なのだ。これを我が家では”粉物の神が微笑んでいる”と言っている。

なぜ急にお好み焼きの話なんだと思うだろうが、ざっくり感覚で味付けるのもいいけれど、細部を細かく調整していくといいことがあるよねという意味で、ライブの帰り道に今日は粉物の神が微笑んでいそうだなああとぼんやり思った

8/14

角田さんの還暦パーティー開催

角田さんとは角田俊也さんのことである。だいぶ前、フリーペーパー「三太」に掲載されていたテキストを読み、全号手に入れたいということで角田さんにお声をかけたのが直接的な出会いのきっかけ。それから度々お酒を共にしたり、制作について話を伺うことが増え、私の尊敬している音楽家というか芸術家のうちの一人である。角田さんの長年の友人(?)である沼倉さんと、角田さんの還暦をお祝いしようと話が上がり、開催させていただくに至った。沼倉さんんは私の大学時代からの友人でもあり、なんとも不思議な縁だなあと思う。大学の時には一緒に鎌倉までパンを買いに行って、食べ比べ大会などをした。角田さんと3人で真鶴の貝博物館へ旅行に行ったことも記憶に新しい。

角田さんが持参したお気に入りサイケバンドのCDをかけながらの宴会。場所は下北沢第二休憩所。カウンター席なのでそれぞれが隣の2~3人で会話を楽しんでいる。秋山さん、陽子さんと即興演奏における演奏の良し悪しの判断はどのように行われるのか等の話をしたことが記憶に残っている。大島弓子さんは読んでみよう

8/19

トリプルファイヤーのサポート

ついにアルバムリリース、本当におめでとうございます。会場も満員で盛況。前にサポートしていたのが2021なので約3年ぶりだろうか、ワウを使った演奏も3年ぶりで、不安になりながらも練習。アルバムでも全編でファンキー爆発系の演奏をかましているが、元来ファンキータイプではないため、急いでボビー・ハンフリー、ハービー・マン、山本邦山などをインストールしなおし。

関係ない話題だが、この手の(?)フルート奏者だと、ヒューバート・ロウズのプレイが私は好きだ。ボビー・ハンフリーも好き。

セットリストの中で最初にフルートが入る曲のために舞台へ入ろうとしたら、山本さんが跳ねており、そうだよねお祭りだよねと自分の中でモードが一段上がった。吉田さんの歌裏での合いの手、時折背中で”今入ってほしい”オーラを放つ時があり、それを見逃さないように随時チェック。

自分的にはとりあえず現状ベストは尽くせたと思っている。その上でソロを取ることに対する苦手意識については再確認することとなり、丁寧にアドリブセオリー的なものを学び直したいと思ったので、『Jazz 道』といういかにもな本を購入。褒めていただけている部分はありがたく受け止めつつ、もっと上手くなりたい。

打ち上げは渋谷の台湾料理屋。ここ一ヶ月くらいの様々な疲れがどっと流れ込んできて、変な酒呑みスイッチが入ってしまったことを悔やむ。二日酔い対策でずっとビールを飲んでいたにもかかわらず二日酔いになった。久しぶりに次の日吐いた。後半あまり覚えていないけれど、シマダさんの優しさが沁みた事だけ抽象的に覚えている。

吐きながら、自分の嫌なところ、こうなりたいという気持ち、悔しさ、恥ずかしさ、ジェラシー、嬉しさ、夢、希望、疲れ、締切、全ての要素をぐちゃぐちゃなまま全部ひっくるめて、吐き出した黄色い液体と共に、トイレに流れていってくれー、と思った。私は緊張すると飲みすぎるところがあり、それは30代に入ってからもう克服したと思っていたけれども、そんなことはなかった。お酒は好きだが、飲み会は得意ではないし、私は非常に肝の小さい人間なんだ。昔から何も変わっていない。

ここ一ヶ月、なぜか天啓のようにふと「サックス始めようかな」と思うようになった。これまで他の楽器をやろうと思ったことが、正直全然なかったのだけれど、ここにきて急に思うようになったので、始めるのに良いタイミングだと感じている。引き返せないようにするために、鳥居さんや他の方へも少し話をする。練習する以前に、楽器を買うところから始めなければならない。

8/20

ratelのリハ

まだ胃が痛むが、やることをやらねばならない。ライブ後の疲れに加え、他にも色々重なり、超バッドな気持ちになる。混沌とした気持ちでリハに向かうと、あまりにも顔色が悪かったらしく、こんな顔色悪いの見たことないので早くリハ切り上げようと提案してくれた。非常にありがたかったし、みんなやさしい。終わってから、少しだべる。

8/20

黒沢清のChimeを見る

すばらしかった、映画を見て胸がキュッと掴まれる感じ。45分という尺、話のテンポ、1シーンごとの画面の隅々まで、心がざわめく。

陽子さんと増渕さんとリリースのオンラインMTGもこの日にあった。

8/21

スーパー銭湯

まだもんやりとしたやりきれない気持ちに苛まれており、スッキリしたかったので思い立ってスーパー銭湯に行く。

風呂に入りながら考え事。大反省ノートという、小学生みたいなアイディアを思いつく。自分に対しての鬱憤、他者への苛立ちなど、特にこれは記録しておくべきだという事項を書き溜めるノートである。ぜったい誰にも見せたくない。

願わくば、一度書いたらしばらくその存在を忘れて、数十年後に、なんだこのノートは、と手にとって、最初の2ページくらいしか書かれてないことが理想だと思った。

でも、それはそれで、大反省するべきことがないと思っている時点で、大反省が必要なのではないか。

考えていたらバカらしくなってきて、サウナコーナーにあった、桶に紐がついていて紐を引っ張ると冷水が頭から降ってくるやつをやって、大反省モードを締めようとした。

満を持してやってみたが(結構恥ずかしかった)、水がぬるいし、大した量が入っておらず、大反省の締めという気持ちに全くなれなかった。

もいうかそもそも、こんなスーパー銭湯に用意してある水を被ったくらいで、反省が消化されると思っている時点で、これは大反省ノートに記すべき事項な気がする。

余計にバカらしくなってきたけれども、この2ヶ月くらいの疲れがどっと流れてきて、2ヶ月では飽き足らず、数十年を振り返って、あーもーなにやってんだろうと自分にがっかりしている。

浮かない顔をしている私に、夫が桃をむいてくれた。やさしい。

いらないことまで書きすぎた気がする、全て自戒なので、消してしまうかもしれない。今週末は福島だ。また美味しい桃が食べられるかな。