池田 若菜 | WAKANA IKEDA

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news - 2024.7

フルートの特殊奏法に関する本はいくつかあり、その中に微分音に関する運指が書かれているものもあるけれど、少なくとも私がこれまでフルートで微分音を練習する中で、わずかな音程の上下に関して本はあてにならないことが多かった。

音程を決定する要素は色々あって、

管の抜き差し
リッププレートの角度
温度の変化
アンブシュア(口のフォーム)※aとかoとかuで調整等
息のスピード
姿勢

などさまざまで、しかも微妙な違いですぐに変わってしまうので、個人差が大きく、本を当てにしながら同じことをしても同じ結果が得られないことが多かった。なので、いくつかの方法を知っておいて、自分に合うものを探すのがいいのではないかと私は思う。

この前、何かの曲では、そもそも低めにチューニングして(管をいつもより抜いておいて)、それを起点に息のコントロールで調整したこともあった。

フルートの運指は仕組み上割とシンプルなので、運指で対応できないものも多いのではないかなと思う。

とりあえずこうして日記にあげておけば、フルートでジャストイントネーションを使う曲で、なんだかうまくいかないと思っている方がいたら資料になるかもしれないし、自分も毎回ジャストイントネーションが出てくるたびにこうしてメモを残すけれど、どこかに紙をなくすことが多く知見がたまらないので、アップしてみました。

f#-16も、f-35も、レオの曲で純正律が出てきた時に使ったもの。

f#-16で”少しひくめ”に吹くと書いてあるのは、リッププレートの角度と息のスピードのことで、わずかに全体のトーンを曇らせるくらいのつもりで低くとるとちょうど良い。あまり意識的ににやると、平気で-50くらい下がってしまう。ほんの少しだけ音色を変えるイメージだとうまくいくと思います。ちなみに私はリングキーの楽器です。カバードキーだとまた変わるかもしれません。

小指あたりの運指は省略していますが、普通のfやf#の時と同じです。

 

このメモでは2つしか扱っていませんが、よく出てくる微分音がいくつかあるので(というか私がよく演奏する曲、および作曲家で出てくる)、それらをまとめていつかZINEにでもしようかなとか漠然と思っています。

追記:情報量を期待して読んでくださった方いたら、すみません。もっと溜まったら、また書きます。

 

久しぶりの日記。

レコーディングで音響スタジオ。良いスタジオにウキウキしながらも、なんだか変に緊張してしまい、譜面通りに吹くのに集中しすぎて固くなる。途中でディレクションとして「もっと若菜さんらしい感じで」と言ってもらい、いつも通りに吹いたら、風がバコーッと吹き抜けたように良くなった。周りの方々、こいつ何緊張してたの、と思っただろうな。。。図星です

譜面通りに音を出す、音程きちんと取る、ということが目的ではなく、音楽を奏でることにもっと集中して、間違えるとかどうとかははじに置いて、演奏すれば良かったんだった、、、、

そういう一言をかけてもらえる存在に感謝しないと、、

自分の耳を信じてあげれば、体はついてくるはず。体をついてこさせる練習は日々の練習。

演奏終え、帰宅中の電車で、フルートという楽器は風を扱う楽器ぽいなあと思った。

風や空気の流れを意識していきたい