池田 若菜 | WAKANA IKEDA

リリース情報(1)

3〜4月で、いくつか自分の参加した音源がリリースされました。ご紹介できていなかったものについて、ここに書きます。(まだ手元に届いていないものもあるので、それは手元に届いてから書きます。)ディスコグラフィーも追って更新する予定です。

 

・寺尾紗穂 『北へ向かう』

前作に引き続き、アルバムレコーディングに呼んでいただきました。寺尾さんと一緒に同録。前作はすでに録音されていたピアノと歌に対して合わせるというかたちでしたが、今回は一発録りで一緒に。決められたレールに合わせて設計していくのではなくて、互いの呼吸の流れに合わせて流れのままに同じペースで進んでいく時間が、とても心地よかった。寺尾さんの歌は、優しさも、厳しさもあって本当に聞いていて安心する。人が作った音楽だと実感できる。

http://www.sahoterao.com/

 

・東郷清丸『超ドQツアーファイナル Live DVD』

今見ると、この時期のことがすごく懐かしく感じられて、みんな元気かなあ…となる。かなりボリュームもしっかり、一時間半くらい収録。配信限定で音源バージョンもリリースされています。こちらも是非!

https://kiyomarization.com/

 

・井戸健人『Song of the swamp』

一昨年にTHE RATELのツアーでスーパーノア と対バンしたのをきっかけに、井戸さんのソロ作のレコーディングにも呼んでいただき数曲フルートで参加しました。作曲におけるリズムアプローチとミックスにフォーカスを置いて作られていて、そのあたりの聞き応えも充実した作品なのですが、そのテーマに埋もれることなく自由研究/日記的なすごくパーソナルな視点が歌詞をはじめ随所に感じられるところが素敵です。真相は聞いてみないとわかりませんが…良いタイトル(quote from Duke Ellington)です。

http://kentido.wixsite.com/kentido

1991年のこと

今日は東京で雪が降ってる。寒い方が好きなので、雪も好き。パラパラと顔に雪が落ちてくると楽しい気持ちになる。

小学生のときに、両親へ自分が生まれた日のことを質問するという授業があり、最近そのことを思いだした。

1991年1月17日に湾岸戦争が始まって、このまま世界はどうなってしまうんだろうと不安に思いながら出産を迎えたと、母は言っていて、当時の新聞の切り抜きを見せてくれて。
小学生のときだったので、あまり戦争に対して実感がなく、世界の別の場所で、だいぶ昔に戦争があったらしい、くらいに飲み込んでしまって、適当な返事をしてしまった気がする。

また大きな被害を生む戦争が起きるんだろうか。当時私を生んだ母の年齢を私はもう越しているけれど、今だとその母の不安な気持ちがすごくよくわかる。

一年に一度会う人

何歳になっても、なにをしていても、互いの幸せを祈れるのは、すごく素敵なことだなあ

私の正月と企画の宣伝

銭湯に行って湯船につかる。ふだん家ではシャワーですませることも多く、かつそれでも十分だなと感じることが多いけれど、こうしてなみなみと湯がつがれ、湯気がたちのぼってるところに入ると、こんなに気持ちいいものなんだなと、感動する。自分が忘れていた感覚を取り戻していく感じ。だったら普段から頻繁に通えばいいんだけど、なんか贅沢すぎる気がしてできない、、、。というのも言い訳でずぼらなだけでもある、、、。


洗い場で、隣のおばあさまがものすごく丁寧に身体を洗っているのを見て感動した。ふだん自分がかけている時間の5倍くらいかけてると思う。撫でるようにして隅々まで洗ってた。真似してやってみると、なんだか身体がモノのように感じられてくる。身体と世界の境目を確認するように、おばあさまは洗っていた。


関東近郊エリアでよく採水(っていうのかな?)される黒湯は塩分濃度が高い。初めて入ったとき、パスタの湯で汁と同じくらい、もしくはそれよりしょっぱいぞと思ってビックリした。パスタは塩分濃度が高めの湯で茹でることで、表面をモチモチの触感にするけども、人の肌も同じ原理なのかな、、、。たぶん違うと思うが、パスタになった気分になる。湯船に手を浮かせて目を閉じると、こんどは身体と湯の境目がわからなくなってくる気がする。


そんなふうに、身体を手放して、煩悩だけにして、ボーッとしながら昨年を振りかえる。そんな正月を過ごしました。


私は昔からとても忘れっぽくて「これは掘り下げたいテーマだぞ。最高の思いつきじゃないか」って喜んでいても、数時間後には別のことが気になっていて、なかなか深く考えて文章にまとめることができてない。それって音楽の内容にも関係してくる。


問題なので、今年は考えたことを文章にもっとしていく、練習を積みたい。そして、アイディアをきちんとかたち(音楽)にする。毎年言っているのでゾッとしている。


SCEは団体としての動きはまだ具体的には決めてないけれど、やりたいテーマがあるのでSCE用に作曲中。THE RATELはアルバムレコーディングにかかります。ソロで作曲していたプロジェクトもレコーディングしたいし、ライブもしたい。


自己研鑽という抱負を掲げたけど、それってプロセスなのでは?という富樫さんからの指摘あり。いまのところ、結果よりも、どういったプロセスを経て、何ができるのかに興味があるんだな、という気づき。音楽を作るのは、その人自身だから、どんなことを考えて・どんな物を食べ・どんな人と出会いコミュニケーションとるか、人そのものが芸術になっていくと信じて、今年もがんばるつもりです。


正月の話が長くなりましたが、最後に告知です。2/2にTHE RATEL で自主企画を行います。初めてのワンマンライブです。アルバム制作に向けて、今ある曲のアレンジをすべて見直したいというのがテーマ。やりたいことを皆で考えて、練り直して、それをトライしてみようという、比較的実験的なワンマンです。七針は好きな場所なので、心おきなく演奏に集中できそう。昼ですし、お気軽に来ていただけたら嬉しいです。売り上げは全てアルバム制作費になります。自分の興味関心を詰め込んだ作品にしたい。

Ftarri Fes 2019

よくライブ出演させていただいている水道橋Ftarriが主催しているフェスティバルに出演します。今年は2会場で開催され、11/9,10は永福町のSonoriumというホールで、11/16,17は北千住にあるBUoYというスペースです。

私は、11/9はSCEで、11/17は赤間さん&Zhaoさん&陽子さんとのカルテットで出演します。

9日のSCEは今回杉本さんが欧州ツアーのため不在で、その代わりに杉本さんの曲を演奏します。17日のカルテットでは、赤間さんの曲を演奏します。今回は4日間も開催するとのことで出演者ラインナップが盛りだくさんです。私が楽しみにしているのは、マーガレット・カメラーさん。ソロ作はもちろん、Magic IDというバンドをやっていて歌も曲も素晴らしいです。あとは、ダンテ・ボーンさんも楽しみにしています!

と、Ftarri Fesにも出演するチリのギタリスト、クリスティアンと一緒に11/8にはpermianという即興のスペースで演奏もします。こちらも併せて、お楽しみいただけたら嬉しいです。

Ftarri FestivalのラインナップはFtarriの公式サイトにもまとまっていますが、以下にも転記させていただきます。

http://www.ftarri.com/festival/2019/index.html

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11月9日 (土) sonorium 開場 午後2時30分 開演 午後3時30分 終演 午後9時頃

多井智紀 (cello) + 徳永将豪 (alto sax)
木下正道 – カタカナと数 (2019) 委嘱新作、世界初演
多井智紀と徳永将豪の共演は水道橋 Ftarri での即興演奏による2回しかありませんが、どちらも素晴らしい内容でした。この日は趣向を変え、多井と親交のある作曲家、木下正道に委嘱したテキスト・スコアによる新作を演奏します。木下正道は、舞台に立って指揮もとります。

Suidobashi Chamber Ensemble
池田若菜 (flute) + 池田陽子 (viola) + 大蔵雅彦 (clarinet) + 内藤彩 (bassoon)
杉本拓 – vertical modulation 0 (2019) 委嘱新作、世界初演
Suidobashi Chamber Ensemble のメンバーである杉本拓は、欧州ツアーのため不参加に。そこで、作曲家としても知られる杉本に、4人のアンサンブルのための新曲を委嘱しました。

ダンテ・ボーン Dante Boon (piano)
1. Darya Zvezdina – there is no place for me on this map (2019) 世界初演
2. Christine Cornwell – at this moment (2018)
3. Germaine Sijstermans – POM (2018)
4. Jürg Frey – In memoriam Cornelius Cardew (1993)
5. Anastassis Philippakopoulos – piano piece (2019) 世界初演
6. Dante Boon – Duo (2h) (2017) 世界初演
7. Antoine Beuger (1955) – traces of eternity: of what is yet to be (2018)
実験音楽シーンで最も注目を集めるピアニストで、ヴァンデルヴァイザー作曲家であるダンテ・ボーン待望の初来日。ボーン自らの選曲による7曲を演奏します。当初6曲の予定でしたが、10月半ばに、ボーンから新作を1曲追加したいとの連絡が入りました (これにより、演奏順も変わりました)。ヴァンデルヴァイザー派のフランス人作曲家 Anastassis Philippakopoulos がボーンのために書いた短い作品で、これも世界初演です。お見逃しなく!!

ビリアナ・ヴチコヴァ Biliana Voutchkova (violin, voice)

即興演奏 “MODUS OF RAW”
クラシック音楽のヴァイオリニストだった初来日時から30年が経ち、実験 / 即興音楽に比重を移しつつ活動を続けるビリアナ・ヴチコヴァによるヴァイオリンと声を使った (Week One 唯一の) 即興演奏をお楽しみください。

マグヌス・グランベリ Magnus Granberg (piano) + 中村としまる (no-input mixing board) + 石川高 (笙) + 丸田美紀 (箏)
Magnus Granberg – Come Down to Earth Where Sorrow Dwelleth [revised version for sho, koto, piano and electronics] (2019)
“Come Down to Earth Where Sorrow Dwelleth” は元々、マグヌス・グランベリが米国ボストンのアンサンブル Ordinary Affects のために今年前半に書いた作品。同曲の「笙、箏、ピアノ、エレクトロニクスのための改訂版」の演奏です。

11月10日 (日) sonorium 開場 午後2時30分 開演 午後3時30分 終演 午後8時30分頃

音・音
足立美緒 (electronics) + 清田裕美子 (龍笛, etc.) + マーティ・ヒックス Marty Hicks (piano) + 芳澤奏 (piano) + ゲスト:東田はる奈 (笙)、木村優希 (soprano)、北川綾乃 (箏)
作曲:足立美緒、マーティ・ヒックス、芳澤奏 / 新作、世界初演
雅楽・邦楽演奏家を含むユニークな若手音楽家集団、音・音は、すべて新作 (世界初演) を披露します。メンバーの足立美緒、マーティ・ヒックス、芳澤奏の3人が作曲を担当し、計3~4曲を演奏します。

クリスティアン・アルヴェアール Cristián Alvear (guitar)
Sarah Hennies – Orienting Response (2015-16) 世界初上演
“Orienting Response” は米国のパーカッショニスト、作曲家の Sarah Hennies が、クリスティアン・アルヴェアールのために書いた作品。アルヴェアールの演奏は、2016年にスロヴァキアの mappa レーベルがカセットテープで発売。ただ、聴衆を前にしての演奏は、今回が初となります。

井上郷子 (piano) + 金沢健一 (steel) + 浦裕幸 (percussion, etc.)
浦裕幸 – 空白を数える (2019) 委嘱新作, 世界初演
井上郷子、金沢健一、浦裕幸という、通常は異なる領域で活動する3人。彼らはここ数年、浦の作曲作品を演奏するプロジェクトを断続的に続けています。この日、浦が用意する新作を演奏します。

マーガレット・カメラー Margareth Kammerer (vocals, electric guitar)
Margareth Kammerer の来日がやっと実現!! 彼女の魅力的な自作曲をソロで、また、彼女とミヒャエル・ティーケとカイ・ファガシンスキーもメンバーである Magic I.D. の曲をインターナショナル・ナシングとの共演で、それぞれ数曲演奏します。

インターナショナル・ナシング The International Nothing
ミヒャエル・ティーケ Michael Thieke (clarinet) + カイ・ファガシンスキー Kai Fagaschinski (clarinet)
Kai Fagaschinski / Michael Thieke – In Doubt We Trust (2015-17)
“In Doubt We Trust” は、インターナショナル・ナシングの最新アルバム『In Doubt We Trust』(Ftarri, 2018) 収録曲。同アルバム収録は、37分のこの1曲のみ。最新曲の完全演奏 (もちろん日本初演) をたっぷりとご堪能ください。

11月16日 (土) BUoY 開場 午後2時 開演 午後3時 終演 午後10時頃

Ftarri Ensemble*
増渕顕史 (guitar) + 竹下勇馬 (electro-bass) + 石原雄治 (snare drum) + 岡川怜央 (electronics) + 田上碧 (voice) + 山田光 (alto sax) + トゥ・ウェンボウ Zhu Wenbo (clarinet)
Zhu Wenbo – No Joy, Sisyphe (2019) 委嘱新作, 世界初演

網守将平 (synthesizer) + 梅沢英樹 (electronics) + 上村洋一 (still life)

アーサー・ブル Arthur Bull (guitar) + 田中悠美子 (三味線, エレキ大正琴, 声) + 山内桂 (sax)

大城真 (自作楽器) + 川口貴大 (自作楽器) + 矢代諭史 (自作装置) + 滝沢朋恵 (vocals, objects)

大上流一 (guitar) + 村井啓哲 (electronics, etc.)

マーガレット・カメラー Margareth Kammerer (vocals, electric guitar)*

森重靖宗 (cello) + キャル・ライアル Cal Lyall (guitar) + 高岡大祐 (tuba)

すずえり (self-made instrument, prepared piano) + ミニスキュル・シングス:吉田アミ (voice) + 立川貴一 (performance)

カイ・ファガシンスキー Kai Fagaschinski (clarinet) + 秋山徹次 (guitar)

ミヒャエル・ティーケ Michael Thieke (clarinet) + ビリアナ・ヴチコヴァ Biliana Voutchkova (violin)
“blurred music”

11月17日 (日) BUoY 開場 午後2時 開演 午後3時 終演 午後9時30分頃

Ftarri Ensemble*
増渕顕史 (guitar) + 竹下勇馬 (electro-bass) + 石原雄治 (snare drum) + 岡川怜央 (electronics) + 田上碧 (voice) + 山田光 (alto sax) + トゥ・ウェンボウ Zhu Wenbo (clarinet)
作曲:Léo Dupleix / 委嘱新作、世界初演

ユタカワサキ (digital synthesizer) + ju sei:田中淳一郎 (guitar, effects) + sei (vocals)*

広瀬淳二 (SSI-4) + 電力音楽:池田拓実 (computer, etc.) + 木下正道 (電気機器) + 多井智紀 (自作電気楽器)

赤間涼子 (piano, small objects) + 池田陽子 (viola) + 池田若菜 (flute) + チャオ・ソン Zhao Cong (mixer feedback, objects, etc.)*
赤間涼子 – for heather’s day (2018) 世界初上演
赤間涼子 – these very people (2019) 世界初上演

カール・ストーン Carl Stone (computer) + 赤い日ル女 (vocals, keyboard)

今井和雄 (electric guitar)

クラウス・ラング Klaus Lang (harmonium) + ジョニー・チャン Johnny Chang (violin) + サミュエル・ダンスコム Samuel Dunscombe (bass clarinet) + 小川道子 (clarinet)*

Filament:Sachiko M (sinewaves) + 大友良英 (turntable)

11月16日と17日の演奏時間は、それぞれ 30~40分です。* の付いたセット以外は即興演奏です。
出演順は変更の可能性があります。変更があれば、その都度、修正いたします。

司会進行 : 細田成嗣 (Week One + Week Two)